ポストを見つめていると、
さっきまで じっとしていたはずなのに、
どこかで、かすかに動いた気がした。
風もないのに、
木の根もとに落ちた葉っぱが、
ひとひら、ふるりと揺れる。
そのとき——
ポストの扉に刻まれた星が、
ほのかに、あたたかく光りはじめた。
光は、強くなったり、弱くなったりしながら、
まるで「気づいた?」と問いかけるように、
ゆっくりと瞬いている。
つぎの瞬間、
小さな音を立てて、
ポストの扉が、すこしだけ開いた。
ポストの中には、一通の手紙。
星の封蝋が きらり と光り、
開くと ふんわり、夜の森の香りがした。
手紙には、見たことのない文字と
星のような点々が つづいていた。
けれど、なぜか不思議と意味がわかる。
こう書いてあった——
「この夜、まんなかの星が ふたたび ひかります。
風の合図をたどって、おいで。
“扉”は、そばにある——」